MODEL 3のホイールナットの適正締付トルクは?

Torque Wrench

こんにちわ。
皆さんのポストを見ていると、TESLA車のホイールナットに対する
締付トルクに疑問を持っている方が多く、その疑問は
私たちだけでは無く、カーショップのスタッフまでもが疑問を
持つという数字であることがわかってきました。

TESLA MODEL 3 の標準締付トルクはいくつ?

そもそもTESLAが推奨する締付トルクはどれくらいなのでしょう?
これはマニュアルに載ってますね。

175Nmとなっておりました。
大概の国産車での平均的締付トルクは120Nmくらいですから
TESLAの仕様が如何に大きいかがわかります。
この数字をタイヤショップに伝えると大概驚いて、大丈夫か聞かれる
みたいですね(笑

なぜこのように大きな値なのか?

TESLA MODEL 3は0-100km/h加速が3.3秒という
驚異的な加速をします、ピークパワーは340kW、
馬力にすると462馬力というモンスターマシーンなのです
これはパフォーマンスモデルの数字ですが、一番出力の低いグレードでも
211kW(286馬力)もあるのです。
そしてトルクも日産GT-Rに匹敵する65kgm相当を
スタートからいきなり出せる能力があります。
このビックパワーを汎用のボルトナットで受けきれるのか?という事ですね。

一般的な国産車のボルト径はM12に対してMODEL 3のボルト径はM14
が使われています。
ボルトが太くなるのですから当然締付トルクも大きくなります。

175Nmという数字がどの位なのか?

軽自動車で100Nm、普通車で120Nm位が通常タイヤショップで
何も言わないと設定される数字だと思われますが、
その数字と比較して175Nmという数字はあまりにも大きく
少し躊躇してしまう数字です。

締付トルクが大きいと何が怖いのかを考えると、
やはり一番最初に頭に浮かぶのは、ねじ切れてしまわないか?
だと思います。
これはボルトの強度区分やボルトの降伏点を調べると
容易に答えが出てきそうです。

強度区分?降伏点?

ボルトは材質や強度によって引っ張ってちぎれる数値が変わります。
そのちぎれた時の力の大きさが降伏点といいます。
そしてボルトの頭を見ると殆どの場合、強度区分が書いてあると思います。
この数字の種類がボルト素材の強度になっており、4.8・8.8・10.9・12.9
とか種類があり、大きいほど頑丈なボルトと知ることが出来ます。

そして下表の様な物が検索すると一杯出てきます。
これはボルトに対する最大締付トルクを表してる表です。
各社多少の数字の上下がありますが、ちぎれる限界数字の90%で表してるサイトや
80%で計算してるサイトとか様々です。
下表は80%ほどで計算された表の様です。
ちなみにM14-12.9gradeのボルトの降伏点は約266Nmです

締付トルク
赤字はNm換算

これを見るとM14ボルトに対する締付強度は強度区分10.9でも174Nm
強度区分12.9になると209Nmが最高締付トルクと読む事が出来ます。

では車に付いているボルトの強度区分はいくつなのかを
色々調べましたが、参考になるサイトを見つける事は出来ませんでした。
しかし私の購入したBloxsportのワイトレに付いているボルトを見ると

Bolt grade

強度は12.9であり、最大締付トルクも209Nm程度という事がわかりました。
多分車のボルトも同じ強度なんだろうと思われます。
仮に一段低い10.9区分だとしても175Nmでちぎれる数字ではないですから
このトルクで締め付ける事によってボルトがちぎれるという心配は
無くなったと言って良いと思います。

その他の懸念

しかし考えてみるとホイールの挟まれる強度とか
ナットの強度とか色々考えてしまう事が多くなりますが、
M14-12.9ボルトが175Nmで締めても余裕なのですから
それを想定されて作られているホイールやナットがその数値で
おかしくなることは日本の商品では考えにくいですよね。

自分自身でも少し疑問に思っていたので
色々調べる事が出来てスッキリしました。
それではまた。